
令和4年の法改正により、男性の育休制度は劇的に進化しました。しかし、選択肢が増えた分、特に産後8週間については、「産後パパ育休(出生時育児休業)」と「通常の育休」、結局どちらを選べばいいの? というご相談を多くいただきます。
この記事では、それぞれのメリットを整理し、共働き夫婦を中心に最大限の恩恵を受けられる「賢い組み合わせ」を図解を交え分かりやすく解説いたします。
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「産後パパ育休」と「通常の育休」の違いとは?
まずは、2つの制度の主な違いを整理しましょう。
両制度の比較

産後パパ育休の魅力
上記のとおり比較してみると、産後パパ育休の魅力は・・・
✅
2週間前(*)までの申請でOKという柔軟性
(*)所定の要件を満たす会社は1か月前としている場合があります
✅
休業中にあらかじめ計画して一定の仕事ができること
✅
2回に分けて取得でき、通常の育休と組み合わせれば、最大4回まで分割取得できること

の3点にあることが見て取れます。
実務上のポイント
なお、実務面のポイントからまとめると以下の通りとなります。

ケース別:どちらを取るべき?メリットと活用法
ケースA:産後の妻をフルサポートしたい
【推奨:産後パパ育休(分割取得)】
退院直後と、心身の疲れがピークに達する生後1カ月頃の2回に分けて取得するのがおすすめです。
<メリット>
2週間前(*)に申請できるため、出産見通しの変化に対応しやすい。
(*)所定の要件を満たす会社は1か月前としている場合があります
<賢い組み合わせ>
産後パパ育休を2回使い切った後、さらに「通常の育休」を別途取得することも可能です。

ケースB:どうしても外せない会議や業務がある
【推奨:産後パパ育休(就業あり)】
通常の育休は、臨時の場合を除き「原則就業不可」ですが、産後パパ育休は事前に調整すれば、あらかじめ計画して「休業中に働く」ことができます。
<メリット>
「月曜だけは会議に出る」「特定の日のみ4時間だけリモートワークする」といった柔軟な働き方が可能。
<注意点>
就業日数には上限があります。
28日間フルで休む場合は「10日・80時間」以内、それより短い休業の場合は日数に応じて上限が按分(削減)されるため、計算には注意が必要です。

産後パパ育休期間中の就業ルールについて、より詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照下さい。
ケースC:長期でしっかり休み、給付金を最大化したい
【推奨:通常の育休】
出生直後から「通常の育休」として取得することも可能です。
<メリット>
手続きがシンプル。
最初から長期(1ヶ月以上など)で休むことが決まっているなら、1カ月前に申請して通常の育休に入るのがスムーズです。

専門家が教える「賢い組み合わせ」の黄金ルート
最も戦略的なのは、「産後パパ育休」と「通常の育休」をセットで考えるパターンです。
黄金の4分割ステップ
①産後パパ育休: 出生直後の5日間(退院サポート)
↓
②産後パパ育休:生後1カ月検診前後の1週間(生活リズムの立て直し)
↓
③通常の育休:子どもが1歳になるまでに必要な時(突発的な対応)
↓
④通常の育休:妻の復職時期に合わせて1カ月(保育園入園サポート)

このように、産後パパ育休2回+通常の育休2回=計4回に分けて取得できるため、パパのキャリアと育児を両立させやすくなっています。
知っておきたい「給付金」のシビアなルール
「出生時育児休業給付金」と「育児休業給付金(当初180日間)」の計算式(*)は同じですが、申請のタイミングや支給制限には注意が必要です。
(*)休業開始時賃金日額(「休業開始前6か月間の賃金総額」÷180日)×休業期間の日数×67%
申請のタイミング
<産後パパ育休>
2回に分けて取得した場合、2回分をまとめて後から申請します。
<通常の育休>
原則、休業期間中、2か月毎(本人が希望する場合1か月毎も可)に申請します。
(休業期間が2か月(あるいは1か月)よりも短い場合は、休業終了時点で申請)

支給制限
休業中に賃金の80%以上が支払われると給付金はゼロになります。
また、就業日数が基準(28日間の休業なら10日・80時間)を超えると、給付金自体が不支給となるため、「働きすぎ」には厳重注意です。

休業取得を検討する前に確認しておくべきこと
なお、実際に休業の取得を検討する際には、以下の点について事前に確認しておくことをお勧めします。
労使協定の有無: 産後パパ育休の申出期限が「2週間前」ではなく「1カ月前」に延長されていないか?
就業可能ルールの詳細: 産後パパ育休中に就業する場合、どのような手続きで業務を依頼・承諾するのか?
法を上回る制度の有無: 会社独自の「育休手当」や「特別休暇」がある場合、そちらを優先した方が有利でないか?
まとめ:あなたに最適なプランを作りましょう
育休は「ただ休む」だけではなく、「家族の形に合わせてデザインするもの」へと変わりました。
産後パパ育休の「柔軟性」と、通常の育休の「安定性」を組み合わせることで、仕事への影響を最小限に抑えつつ、かけがえのない時間を確保できます。
もし、「自分の月収なら給付金はいくらになる?」「このスケジュールで不支給にならない?」といった具体的な内容をお調べになりたい場合は以下の記事もあわせてご参照いただければと思います。
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