この記事では、産休期間中の収入を補填するための給付である「出産手当金」支給申請書の書き方について、初心者でもスムーズに申請できるよう、間違いの多いポイントを明確にして、分かりやすく解説しています。
はじめに
出産手当金の支給申請を行うにあたっては、まず、支給対象となる期間がいつからいつまでになるのか?を再確認しておく必要があります。
なぜなら、労働基準法に定められた「産前休業期間」と出産手当金の「支給対象期間」は必ずしも一致するとは限らないからです。
また、初めて申請書を記載する方にとっては、支給対象期間の中に年次有給休暇の取得日等が含まれている場合、どのように記載すべきか?も悩ましく感じるのではないでしょうか?
タイムロスを極力抑え、スムーズに申請を行うためには、上記以外にも事前に把握しておくべき、いくつかのポイントがあります。
この記事では、これらのポイントについて1つずつ確認しながら解説していきます。
なお、この記事を読む前に、出産手当金の制度概要について、おさらいしておきたい方は、以下の記事もご参照ください。
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産前休業期間と出産手当金支給対象期間との違い
それではまず、支給対象となる期間がいつからいつまでになるのか?について確認していきましょう。
冒頭でも申し上げたとおり、労働基準法に定められた「産前休業期間」と出産手当金の「支給対象期間」は一致するとは限りません。
具体的にみていきますと・・・
労働基準法上、「産前産後休業」を取得することができる期間は・・・
- 出産予定日から数え6週前(42日前)からの「産前休業期間」と、
- 出産日の翌日から数え8週間(56日間)の「産後休業期間」
となっています。
労働基準法に定める「産前休業期間」は、出産予定日から数え6週前(42日前)から始まる休業可能期間において、産休取得者本人の希望により休業を開始した日以降の期間が該当します。
この場合の「6週前(42日前)」つまり、休業可能期間の始期については、実際の出産日が出産予定日と異なる日になった場合も変更されることはありません。
いっぽう、健康保険法で定める「出産手当金」の支給期間は・・・
- 実際の出産日から42日前までの間にある「妊娠・出産のため労務の提供を行わなかった日」
- 出産予定日よりも後に出産した場合は、出産予定日から42日前までの間にある「妊娠・出産のため労務の提供を行わなかった日」
- 出産日の翌日から数え8週間(56日間)の「産後休業期間」
となっています。
健康保険法に定める「出産手当金」の支給期間は、実際に出産日が到来して後、初めて支給対象となる期間が確定する仕組みとなっています。
よって、出産予定日よりも大幅に早く出産日を迎えた場合には、労働基準法上の「産前休業開始日」よりも、かなり前倒した日を起点として支給対象期間の候補日が決定される可能性があります。
◆なお、上記の産前期間については多胎出産の場合、6週(42日)を14週(98日)に置き換えて適用します。
支給申請期間の書き方①
申請書2ページ目の「①申請期間(出産のために休んだ期間)」の開始日には、実際の出産日(出産日が遅れた場合は出産予定日)から数えて42日前までさかのぼった期間の中にある「妊娠・出産のため労務の提供を行わなかった日」のうち、最も早い日付を記入します。
有給休暇取得日も妊娠・出産のため労務の提供を行わなかった日に含む
さて、次に注意しておきたいのが、労働基準法の「産前休業」を開始する直前等に、妊娠・出産を理由として「年次有給休暇」を取得していた場合についてです。
仮に、実際の出産日から数えて42日前までさかのぼった期間の中に「年次有給休暇」の取得日が数日含まれていたとします。
これらの日がある場合、出産手当金支給申請書はどのように記載すればよいでしょうか?
この場合は・・・
「年次有給休暇」の取得日も出産のために休んだ期間に含めて申請を行う
が正しい答えとなります。
なお、申請期間の開始日が「年次有給休暇」等の取得日であっても、そのまま記入を行います。
ちなみに、「妊娠・出産のため労務の提供を行わなかった日」が、純粋な欠勤日であった場合も、妊娠・出産を理由とした欠勤日であれば、上記同様に記入することとなります。
こちらも注意しておきましょう。
支給申請期間の書き方②
申請期間には、年次有給休暇等の取得日や欠勤日を含めて記載します。
申請は産後休業期間の終了後に行うのが一般的
出産手当金は、通常、産前産後の全休業期間が終了してから、その休業実績に対して事業主による賃金証明(後ほど解説致します)を添付して申請します。
しかしながら、申請書には、出産前に出産予定日を記載して申請する欄も設けられています。
その理由は、出産手当金の受給を急ぎたい場合に、複数回に分けて申請が行えるよう配慮されているためです。
申請書の記入欄がこのようなかたちとなっているため、初めて申請手続きを行う方は、出産手当金をいつ申請すべきなのか?戸惑ってしまうかもしれません。
✅出産手当金の支給申請は産後休業期間終了後に行うのが一般的です。
出産前あるいは産後休業期間終了前に申請を行うことは、実務上は、出産手当金を急ぎで受給したい場合に限って行われる例外的取扱いとなります。
それでは、上記が実務上、なぜ例外的取扱いとされているのか?その理由について見ていきましょう。
出産前あるいは複数回の申請が実務上例外扱いとされる理由
出産手当金は、出産前あるいは産後休業期間終了前であっても申請することができますが、このように急ぎで申請を行ったとしても、申請対象とすることができるのは、既に休業取得済の期間に限られます。
また、複数回に分けて申請を行う場合は・・・
✅産後休業期間終了後に未申請の期間分について再度申請を行わなければならないこと
✅出産前と出産後に分けて申請を行う場合は、出産前は「出産予定日」・出産後は「実際の出産日」について、それぞれ担当医(又は助産師)による証明を受入しなければならないこと
等の手間(場合によっては文書料の追加コスト)もかかります。
よって、出産前や複数回に分けての申請は事務コストを考慮して、真に必要な場合に限り、例外的に行われているというわけです。
申請内容欄の書き方
以下の青枠内については、通常は産後休業期間終了後に、②欄は「2:出産後」として、③-2欄に、実際の出産年月日を記入して提出します。(例外として、出産前に急ぎで受給したい場合のみ、②欄を「1:出産前」として、③-1欄へ出産予定日を記入して提出します)
通常は産後休業期間終了後に、④欄についても記入して提出します。
申請期間中に受けた報酬の有無について
以下の⑤-1欄については、記載した申請期間(出産のために休んだ期間)の中に年次有給休暇が含まれる場合や、その他の給与・手当といった報酬の支払いを受けた実績がある場合は、1の「はい」を選択します。
通勤交通費等、毎月一定額が支払われる手当について、記載した申請期間(出産のために休んだ期間)の日数について、日割り控除を行っていない場合も1の「はい」を選択します。
⑤-2欄は実質的に、1の「はい」しか選択の余地はありません。
⑤欄の記載が終わりましたら、3ページ目の事業主証明欄の作成へと進みます。
事業主による休業期間中の賃金支払い状況証明欄の記載方法
この3ページ目、事業主証明欄の記載が最も分かりにくい所かと思います。
まず、左側の記載対象となる年・月についてですが・・・
実際の出産日(出産日が遅れた場合は出産予定日)から数えて42日前までさかのぼった期間の中にある「妊娠・出産のため労務の提供を行わなかった日」のうち、最も日付の早い日が属する月を先頭に、産後休業終了日が属する月までの全ての年・月を記載します。
次に、右側の各月日付欄についてですが・・・
こちらの欄は、労務の提供が行われた出勤日(年次有給休暇取得日は除く)のみに〇をつけます。
最後に、賃金支払いの対象となった期間の初日と最終日を以下左側の日付欄に記載し、その期間に対して支払われた賃金額を右側の金額欄に記載し証明を行います。(賃金支払いの対象となった期間が複数ある場合は、それぞれの期間、別々に記載します)
なお、賃金支払いの対象となった期間には、年次有給休暇取得日も含めて日付欄を記載することとなりますので注意が必要です。
【ポイント!】
年次有給休暇の取得日は、いったん出産手当金の支給対象期間に含めたうえで、後から「有給として支払われた賃金額」を出産手当金の支給額から控除し、支給調整を行うかたちをとります。
左側の日付欄は「賃金支払いの対象となった日」が1日のみで連続していない場合は、開始日も終了日も同一の日付を記載します。
2日以上連続している場合は、その開始日と終了日を記載します。
通勤交通費等、毎月一定額が支払われる手当について、妊娠・出産を理由とした休業取得により出勤実績がないにもかかわらず、日割り控除を行っていない賃金締切り期間がある場合は、その開始日と終了日を左側の日付欄に記載した上で、その支払われた全額を右側の金額欄に記載します。
【ポイント】
開始日と終了日が出産手当金支給申請期間の範囲外に該当する日であっても、そのまま記載します。
(記載例)
月末締めで賃金支払いの会社が、1か月間分の通勤交通費(3月1日から3月31日分)を支払うにあたり、妊娠・出産のための休業期間分(3月15日~3月31日分)を日割り控除せず、満額を支払った場合は、左側日付欄の開始日は(出産手当金支給申請期間の範囲外である)3月1日、終了日は3月31日と記載した上で、右側金額欄にその支払った満額を記載します。
まとめ
出産手当金支給申請書の書き方についての解説は以上となります。
出産手当金の支給期間は・・・
- 出産後にならないと確定しないこと
- 労働基準法の産前休業以外の休業日も含む場合があること
- 年次有給休暇の取得日も支給期間に含めて申請すること
をまずは押さえておいた上で、この申請は、産後休業期間が終了した後に行うのが一般的であることを確認しておきましょう。
この記事が、初めて申請手続きを行う方にとってお役に立ちましたら幸いです。
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