この記事では、令和8年6月8日より開始された、東京しごと財団「働く人の育業応援奨励金」について、ポイントのみ分かりやすく解説しています。
働く人の育業応援奨励金とは?
この奨励金は、令和7年度限りで廃止となった「働くパパママ育業応援奨励金」の後継となる奨励金制度として、令和8年6月8日、新たに発表された制度となります。
基本となる申請額は125万円に設定されており、加算要件をプラスすることにより、女性労働者を対象として申請する場合は最大175万円、男性労働者を対象として申請する場合は最大420万円と、令和7年度を以て廃止された「働くパパママ育業応援奨励金」と同水準の非常に大きな申請枠が設定されています。
ただし、過去に「働くパパママ育業応援奨励金」「働くパパママ育休取得応援奨励金」を受給した事業主は申請できませんので注意して下さい。(同一代表者の別法人や合併・分割した法人が受給済の場合も含みます)
総じて、令和7年度まで施行されていた「働くパパママ育業応援奨励金」に比べ、支給要件が厳しくなっており、育児休業給付金あるいは出生時育児休業給付金の受給者のみを申請対象としている他、従前は可能であった、厚生労働省が所管する両立支援等助成金等、制度内容が重複する助成金・補助金を申請済の場合は、併給申請ができない可能性もあります。
申請を検討する際には、事前に東京しごと財団宛て、都度確認するよう注意して下さい。
それではポイントについて1つずつ見ていきましょう。
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(*)
東京しごと財団「 働くパパママ育業応援奨励金」制度は、令和7年度を以て終了となり、
令和8年6月8日より、新たに「働く人の育業応援奨励金」制度がスタートしています。
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対象事業主
この奨励金は、常時雇用従業員数2人以上999人以下の事業主が対象となっています。
資本金額に制限はありませんが、他にも業種制限等がありますので、申請検討の際には必ず事前に確認しておきましょう。
なお、この奨励金を申請するためには、まずは事前エントリーが必要となります。
4回の受付期間内に、専用フォーム《LoGoフォーム》を通じてエントリーしなければなりません。
エントリー受付期間開始日までに東京しごと財団「働く人の育業応援奨励金」ページに申し込みフォームが公開されることとなっております。
エントリーの結果、抽選により申請可となった事業主のみが申請できます。(10営業日以内を目処に結果メール返答通知あり)
(同一エントリー期間内に重複してエントリーを行うと抽選から外れる場合があるのでご注意下さい)
以下、奨励金公式サイトへのリンクとなります。
1回目受付期間:令和8年6月22日(月)~6月30日(火)
→申請期限:令和8年9月18日(金)
2回目受付期間:令和8年9月1日(火)~9月9日(水)
→申請期限:令和8年11月20日(金)
3回目受付期間:令和8年11月2日(月)~11月11日(水)
→申請期限:令和9年1月22日(金)
4回目受付期間:令和9年1月5日(火)~1月12日(火)
→申請期限:令和9年3月19日(金)
奨励金額
奨励金額は冒頭でも申し上げましたとおり、非常に大きな金額となっています。
・基本支給額は125万円
・加算により女性労働者は最大175万円
・加算により男性労働者は最大420万円
なお、予算を超えた場合は支給申請期間内であっても受付終了となりますのでご注意下さい。
主な支給要件
一定期間以上の育業取得と原職復帰
申請対象者は、令和7年4月1日~事前エントリーした日の前日までの間に「一定期間以上の育業をする」と共に「育業から原職復帰し、実労働ベースで1か月(30日)以上継続勤務(会社休日を含む)」していなければなりません。
つまり、申請候補とする従業員が原職復帰してから事前エントリーをすることになります。
なお、ここでいう一定期間以上の育業とは?・・・
<男性従業員の場合>
常時雇用従業員数300人超の「中堅企業」事業主 → 通算58日以上の育業(産後パパ育休を含む)
常時雇用従業員数300人以下の「中小企業」事業主 → 通算45日以上の育業(産後パパ育休を含む)
<女性従業員の場合>
「中堅・中小企業」共に、通算86日以上の育業(産後休業を含む)
を取得することが必要となります。
育業計画書の策定
この助成金を申請するためには、育業計画書が策定されていなければなりません。
なお、この育業計画書のフォーマットは支給申請書式の中に含まれています。
復職の意向確認・育児と仕事の両立支援制度に関する情報提供実施
対象となる育業取得者に対し「復職に向けた意向確認」「育児と仕事の両立を支援する制度に関する社内情報・資料の提供」が行われていなければなりません。
こちらについても報告書式のフォーマットが支給申請書式の中に含まれています。(具体的な提出エビデンスは定められていません)
復職しやすい職場環境(法を上回る規定等)の整備を3つ以上実施
令和8年6月22日~支給申請日までの間に、新たに3つ以上「復職しやすい職場環境の整備(法を上回る規定整備等)」を行い、就業規則に明記されていなければなりません。(既に、令和8年6月22以前から規定されているものはカウントできません)
なお、ここでいう「復職しやすい職場環境の整備(法を上回る規定整備等)」は、以下の中から3つ以上選択する必要があります。
<法を上回る規定整備等の内容>
① 有給の子の看護等休暇の導入
② 子の看護等休暇の取得可能日数上乗せ
養育する子が「1人の場合最低6日以上」かつ「2人以上の場合最低11日以上」の日数を設定し、就業規則に規定する必要があります。
③ 中抜けあり時間単位の子の看護等休暇の導入
④ 育児短時間勤務制度の利用年数延長
現行法では、養育する子が3歳になるまで利用できることとなっていますが、3歳を超える年齢まで利用できるよう就業規則を改定しなければなりません。
⑤ 所定外労働時間制限の対象年齢拡大
現行法では、養育する子が小学校に就学する前まで利用できることとなっていますが、小学校就学時を超える年齢まで利用できるよう就業規則を改定しなければなりません。
⑥ 病児保育経費の補助
⑦ 子連れ出勤制度の導入
加算要件
この奨励金には、特に男性労働者の育業奨励に向けた加算要件が多く定められています。
男女を問わず全事業主が対象となる加算要件
① 同僚への応援評価制度・表彰制度の整備と育業応援プランシートの作成
→ 加算額30万円
② 同僚への応援手当支給と育業応援プランシートの作成
→ 加算額30万円
なお、①と②両方に取り組んだ場合は60万円ではなく、50万円の加算となります。
男性労働者への育業奨励を前提とした加算要件
以下の加算要件は、男性従業員が都内事業場に2名以上在籍している事業主のみ対象となります。
③ 男性管理職の育業とロールモデルの社内周知
→ 加算額20万円
④ 育業メンター制度の整備とパパ向け育業マニュアルの作成
→ 加算額20万円
⑤ 助産師等を活用した両親学級制度の導入
→ 加算額20万円
⑥ 育児と仕事の両立に向けた社内研修の実施
→ 加算額20万円
申請対象者が男性の場合のみ申請できる加算要件
⑦ 産後パパ育休+2か月以上の育業(通算88日以上)を取得していること
→ 加算額45万円
■
⑧ 産後パパ育休+1か月以上の育業(*)を取得した男性従業員が複数名いること
→ 加算額 1人30万円×4名まで最大120万円
(*)
常時雇用従業員数300人超の中堅企業事業主の場合 :通算58日以上
常時雇用従業員数300人以下の中小企業事業主の場合:通算45日以上
なお、各要件の詳細については、以下東京しごと財団hpをご参照下さい。
審査を受ける際に注意しておくべきポイント
育業日数のカウント方法
1か月は30日と定義します。(2月の28日(29日)分は28日(29日)とし、30日とは数えません)
一時就労日数は育業日数から除きます。(ごく短時間の就労であっても育業日数としてカウントできません)
なお、副業先で就労した日も育業日数から除きます。
育業は2歳に達する日の前日(=2歳誕生日の前々日)までに取得したものを指します。
子の出産日よりも前に取得した男性育休は育業取得日に含めることはできません。
申請対象者の判定基準
既に育業から職場復帰した者でなければなりません。
職場復帰後の処遇が育業前より引き下げられていてはなりません
都内事業場の勤務者でなければなりません。
都内事業場の通勤圏外の居宅でテレワークしている場合は、その居宅から通勤できる圏内に事業場があってはなりません。
代表者の3親等内の親族を申請対象者とすることはできません。
育休開始日(女性の場合は出産日から数え6か月前の日)から溯って6か月以上前から雇用保険被保険者でなければなりません。
転籍に伴い、前職の雇用保険被保険者資格を一旦喪失し、現職で再度資格を取得し直した場合、転籍後の雇用保険被保険者資格のみで6か月以上継続加入していない場合は対象外となります。
育休(女性の場合は産前6週間)前の1か月以上前から都内事業場に勤務してなければなりません。(産前休業を取得していない女性であっても、出産日前6週間については産前休業したものと見なして審査が行われます)
「育児休業給付金」あるいは「出生時育児休業給付金」を受給していない方は申請対象者となりません。(給付金支給決定通知書に記載されている日数を育業した日数としてカウントするため)
申請対象事業主の判定基準
都内事業所に所属し勤務している常時雇用従業員(雇用保険被保険者)を「2人以上」かつ「それぞれ6か月以上」継続雇用していなければなりません。(有期雇用契約の場合は、雇用契約書上で1年を超えて雇用見通しであることが分かる場合に限ります)
常時従業員数10人未満であっても就業規則を労基署へ届出していなければなりません。
都税に未納があってはなりません。
申請事業主および同一代表者の別の会社で過去5年以内に重大な法令違反があってはなりません。
以下についても違反があってはなりません。
・最低賃金法
・36協定
・年5日以上の有給付与義務
以下の事業主は申請できません。
・風俗営業を行っている事業主
・暴力団に関係している事業主
セクハラ防止の規定を定める等、セクハラ防止措置をとっている事業主でなければなりません。
育業計画書
育業計画書(申請書上にフォームあり)に記載する面談日は、育業開始日(女性の場合は産後休業開始日)から職場復帰日までの間に行われたものでなければなりませんので注意が必要です。(育業開始前に行われた面談の記録ではありません)
また当該面談は職場復帰の意思確認を行うよりも前に行われたものでなければなりません。
育児と仕事の両立支援制度に関する社内情報・資料の提供
育業計画書の策定に係る面談を実施した後、育児と仕事の両立を支援する制度に関する社内情報、資料の提供を行わなければなりません。
復職に向けた意向確認について
育業計画書の策定に係る面談を実施した後、職場復帰日直前までに もう1回面談を実施し、復職に向けた意向確認等を行っておかなければなりません。
復職に向けた意向確認は、復職後の就業イメージができる内容(勤務日数や時間、働き方等)を記載しておかなければなりません。
職場環境整備の取組について
職場環境整備(3つ以上)の取り組みは、令和8年6月22日以降、支給申請日までの間に取組したものでなければなりません。
申請時に必要となる書面
申請時には以下が必要となります。
✅
会社案内、会社概要
✅
最新の就業規則一式
✅
履歴事項全部証明書(商業登記簿謄本)
✅
雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(事業主通知用)および 雇用契約書又は労働条件通知書2名分(都内勤務者であることが確認できるもの)
✅
法人事業税納税証明書(都税事務所発行のもの)直近事業年度分
✅
法人都民税納税証明書(都税事務所発行のもの)直近事業年度分
✅
対象従業員の育児休業申出書
✅
育児休業給付金等の支給決定通知書(被保険者通知用)
✅
職場復帰日以降1か月間以上のタイムシート(出勤簿等)
なお、個人事業主が申請を行う場合は、他にも必要な提出物がありますのでご注意下さい。
各種変更の届出
申請後に会社名・住所・代表者に変更があった場合は、変更登記が終了した後に必ず変更の届出が必要です。(履歴事項全部証明書の提出が必要です)
申請後に担当者名・連絡先に変更があった場合は必ず届出が必要です。
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